YAMAHAという企業のイメージと無人ヘリ |
Excite エキサイト : 社会ニュース UAVという兵器のカテゴリがある。 Unmaned Air Vihicle。いわゆる無人航空機である。 ラジコン飛行機に例えられる場合が多いが、現代のUAVは、そんなちゃちな代物とは違う。 昔(第二次大戦)から、ラジコン式の兵器というものは存在した。 そのほとんどは、帰還を前提としないものがほとんどで、戦後もしばらくはそういったものが多かった。 初めて帰還を前提とした無人飛行隊としては、一時期米海軍が配備(海上自衛隊も装備)したDASHと呼ばれる、無人対潜ヘリコプタである。 しかし、70年代より、ミサイル、特に戦術ミサイルや点制圧用のミサイルに高精度化が求められ、誘導技術や自立航行技術は驚異的な発展を遂げる。 そこにGPSが加わり、さらに精度を増すにいたり、湾岸戦争当時より、偵察用の無人機としてUAVが常用されるようになってきた。(正しくは、ベトナム戦争当時に試験的に運用されていた) それらの集大成として、米軍は、現在大きく分けて2種類のUAVを通常運用している。 それらUAVは、高レベルのGPSと赤外線センサ、測地レーダーなどを装備し、地形図と照合して、現在飛んでいる位置を正確に把握し、目的地まで自立飛行で航行し、目的を達成して帰還するのである。 湾岸戦争・ボスニア紛争・イラク戦争を通じてそれらのUAVは有効性が実証され、米国以外の国々も装備もしくは装備予定としている。 現在、開発に成功しているのは、米国・イスラエル・ドイツ・フランス・ロシア・南アフリカ等の、兵器産業が重要な産業となっている国々である。 日本でも例外ではなく、防衛庁ではUAVの装備に関する基礎調査が開始されている。 そのUAVを、国産にするののか、海外のものを導入するのかはまだ決まっていないが、米国製のものが導入されるであろうと言われているようである。 まず米国製(ライセンス生産)を使用し、後に国産に移行するハラづもりと思われる。 日本製の航空機関連産業といえば、川崎重工や富士重工、三菱重工、新明和工業、石川島播磨が思い起こされる。 特にヘリコプタといえば、川崎重工や富士重工が強い。 ヤマハが80年代より無人ヘリコプタの商品化を考えてきたのは、賢明な措置だったといえる。 特に農薬散布用の自立飛行には、高度な地形照合技術が必要となる。 日本の農業生産用の農地は、米国やオーストラリアのような、ただただ平面的に広がる農地とは根本的に異なる。 起伏が激しく、山の斜面に張り付くように耕地が広がっている場合が多い。 そこで自立的に、効果的農薬散布を行う技術というものは、一朝一夕で何とかなるものではない。 それこそ、トライアンドエラーの繰り返しだったと思う。 今回の一件で、中国に輸出されそうになった自立飛行型無人ヘリコプタは、農薬散布用という名目であったらしい。 新聞などのメディアの報道からすると、その自立飛行に必要な技術の流出が脅威だといった論調のものが多いが、私の私見では、技術的なものは現代の中国だったらどうとでもなるレベルではないかと思う。 必要なのは、山岳地帯や起伏の激しい地域で農薬散布を効率的に行うための、飛行経路、地形や天候からくる飛行への影響を補正するためのシステムを構築するために培われてきたノウハウだろう。 中国は、何のためにヤマハのヘリを必要としたのか。 自国製UAVとして、第三世界諸国に販売するためかもしれない。 もしくは、賃金格差を是正するために、農耕の近代化・効率化を目指しているのかもしれない。 しかし、それだけだろうか。 沿岸部と内陸部での賃金格差がどんどんと広がっていく中国という国。 中国政府にとって恐ろしいのは、国家の分裂である。 武力と思想だけでは、もうどうしようもないところまできていると考えられる。 中国政府に不満を抱く人々は、内陸部、特に山間部に多いと聞く。 なんか尻切れトンボな文章になってしまった^^; |
by bankiero
| 2006-01-23 13:38
| 雑感
|
<< 多くは語るまい | 一家心中事の顛末やいかに >> |